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酸性雨などに銅でできた屋外文化財がさらされると、長い年月をかけて作られ安定した錆に変化が出てきます。一般的にブロカンタイトという硫酸銅系の錆におおわれていますが、酸性環境下で耐食性に乏しいアントレライトに変化すると考えられています。ブロカンタイトは文化財の表面をコーティングして金属を保護してくれるのですが、アントレライトは水に溶けやすく、酸性雨によってできるのではないかといわれています。
鎌倉大仏周辺で測定した風向きと、大仏の銅の錆の組成を照らし合わせてみると、アントレライトは、像の北側の背面で多く検出され、南側の正面と東側ではあまり検出されませんでした。海側を向いている正面の方向には、塩水と関係が深い塩化銅系の錆が多く、背面の方向には、酸性雨など環境汚染物質と化合してできる錆が多いことが分析できました。
こうした場合の対策としては、いくつか考えられます。保存療法といって、文化財そのものを処置するのではなく、雨に打たれないように屋根をつけるなど、文化財の置かれている条件を変える方法をとることがあります。文化財そのものに手を加える場合には、防錆塗料を塗り、さらに合成樹脂でコーティングするなどが考えられます。
けれども、鎌倉大仏のような大きなもののコーティングはたいへんな作業で、しかも樹脂の耐候性を考えると、頻繁にメンテナンスをしなければなりません。また、一般の住宅ならペンキなどを塗って表面を補修しても問題はないのですが、文化財の場合は現在の色や表面の質感などを保つ必要があるので、たいへんなコーティング技術が必要になります。

修復後の八角灯籠 |
鎌倉大仏のほかにも、東大寺国宝金銅八角灯籠の保存も印象に残る仕事でした。ブロンズ病の原因といわれる塩化銅など悪い錆が発生しており、それらを除去してベンゾトリアゾール(銅の防腐剤)を入れた樹脂を塗布して、ワックスをコーティングしました。ワックスは数年ごとに塗りかえメンテナンスをしています。 |
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欧米で行われているワックスコーティング法の欠点を改良した新しい方法を開発 |

酸性水溶液スプレーによる耐久試験 |
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関連リンク
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