第一部どう評価する? 容器リサイクル法
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泉 真
厚生省
生活衛生局 水道環境部環境整備課
リサイクル推進室長
プロフィール
1980年より厚生省に勤務。98年からリサイクル推進室長。 |
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発言要旨
容リ法は市町村の分別収集が基本。メーカーに再商品化に関わる費用負担を求めたことで減量化・減容化が進んでいる。各自治体の地域の実情にあった創意工夫で実績を積み上げていくことが大切だ。循環型社会に向けた第一歩と捉えたい。
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| ──この4月から容器包装リサイクル法が完全施行され、紙製容器やPET以外のプラスチックも対象となりましたが、現状はいかがですか。
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昨年9月に実施した調査では、全国3252の市町村のうち、平成12年度に分別収集を計画しているのは、紙製容器包装で全体の約1/4の803市町村、プラスチック製容器包装で1348市町村となっています。
しかし、準備に時間がかかるため、13年度以降にずれ込むところも相当あります。
ご承知の通り、この法律は、全国一斉にスタートするというものではありません。大都市では名古屋市で8月から紙とプラスチックを、札幌市ではプラスチック製容器について、4月から東区で、6月からは全市で実施することになっています。
地域の実情にあった形でステップを踏んで取り組んでいただきたいと考えています。 |
| メーカーは容器包装に関わる負担金を減らそうと、容器に使う材料を減らしています。目に見えるものとしては、詰め替え容器がかなり普及してきています。小売店やスーパーでは、トレーやラップ、レジ袋が対象になるので、量り売りにしたり、レジ袋が不用の人にはスタンプを押したりして負担の軽減を図っています。まだ正確な数字では把握していませんが、施行前に比べて減量化が進んでいるはずです。
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| ──でもペットボトルなどは、施行前が17万トンなのに、99年度は25万トンと逆に増えています。
生産量ではなく、自治体の分別収集計画量と、処理能力のうち小さい方をリサイクル義務量としている点に大きな問題があるのではないですか。
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| 処理能力以上に収集しても保管するしかありませんので、処理能力をリサイクル量の上限にしているわけです。
ペットボトルについては、静脈ルートが確立しているガラスびんや空き缶と違い、本格的に回収をはじめてまだ3年と日が浅く、一方収集量が急増したため一時保管の事態が生じてしまいましたが、
処理工場が新築、増築されており、処理能力が拡大すれば解決すると考えています。 |
| ──PETについては、再生品の需要がないことも問題です。
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| 再生品の用途の研究も進んでいます。やはり繊維製品よりは飲料容器にするほうがいいわけですが、日本の消費者は要求が厳しく、曇りがあったり、透明なボトルにちょっと色がついていてもダメだといわれることを気にして、
まだ飲料用途へのリサイクルは進んでいません。ところが、PET樹脂の前段階まで戻してまたPET樹脂をつくると、バージン材料と変わらない品質のものができることが実用化されようとしています。数年のうちにペットボトルはペットボトルにというリサイクルが可能になると期待しています。
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──ペットボトルは単一素材ですが、その他プラスチックとなると、リサイクルは困難を極めるのではないでしょうか。
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家庭で使われているプラスチックには塩ビもポリエチレンもポリスチレンも、ポリプロピレンもある。 たしかにこれを素材別に選り分けて集めることは現実的ではありません。でも特定の用途に再商品化することだけではなく、その他プラスチックのリサイクルの手法としては、熱分解して油化する、高炉の還元剤として使う、
ガス化するなどいくつかの方法が認められています。 |
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──でも、プラスチックを油に戻すにしても、多大なエネルギーを使うわけですよね。 |
この制度の狙いのひとつは、最終処分場に持っていくものを減らそうということです。そこで3Rを進める。リデュース、リユース、リサイクル、まずゴミとして処理するものを減らそう、次に同じものを何度も使おう、そして、リサイクルを3番目に位置づけてます。
そのリサイクルも、物として使う「マテリアルリサイクル」と、熱として回収する「サーマルリサイクル」の2通りがある。マテリアルリサイクルを優先していますが、材料にするためにコストもエネルギーも過大にかかるなら熱回収でもいいと考えています。
現に紙製容器包装については、紙の原料として利用できるものを選別したあと、それ以外の部分は燃料として熱回収を行うことを認めています。
容リ法が国会で議論されていた5年前は、ようやく油化の実用化のメドが立ったところでしたが、ここ数年で、油化以外に高炉還元剤やガス化といった新しい技術がどんどん出てきたわけです。
必要は発明の母で、いまプラスチックのリサイクルにエネルギーやコストがかかっていても、細い流れが太くなり、技術開発がさらに進めば、この課題もクリアできると思います。リサイクルの内容も時代の流れによってどんどん変わっていくべきものです。
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──分別収集を担当する市町村の負担が重すぎるという声があります。 |
分別収集や住民への周知徹底で市町村は、たいへん苦労されています。でも、容リ法の施行前はメーカーの負担はゼロでした。一方で分別収集はそれまでも自治体がやっていた。これを突然別の主体が実施するのは現実的ではなかった。
まず、容リ法では、分別収集は自治体で、そこから先の再商品化部分の負担をメーカーと、制度的に切り分けたわけです。
制度そのものは一度決めたら未来永劫そのままということはありませんから、やってみてどれだけ実績が上がったか、ゴミは減ったか、費用はどうか、仕組みを動かしてみて結果を検証・評価して議論していく。その上で改めるべき点は改めていくべきと考えま
す。
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廃棄物の量としては圧倒的に多いプラスチックや紙がどうなるかの見極めをつけることが必要です。ペットボトルだけで論じては評価を誤る危険性があります。また、運用面では地域性による違いが大きい。
全国的なマクロベースの観点ももちろん大切ですが、大都市、中小都市、町村部それぞれの結果を把握したい。たとえば名古屋や札幌のような典型的な大都市の結果がどう出るか? このデータはひとつの重要な指標になると思います。
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──生産量や出荷量に対して何%リサイクルせよという目標数字を決めるやり方はとれないのですか。 |
全国一律に収集する仕組みでないための難しさがあります。そもそもゴミ問題は歴史的沿革からして地域問題だったんです。江戸時代などは家まわりや庭に埋めていましたし、比較的最近まで農村部では生ゴミなども畑で使っていた。
都市化してライフスタイルが大きく変わったことによって、住民のもっとも身近な市町村がゴミ処理を担ったわけです。だから都市と農村ではニーズがまったく違う。
埋立処分場を延命させるためにあらゆる手段を講じなければならないところと、処分場ならあと40年以上大丈夫というところ、また分別収集したものを引き取ってくれるびん商やカレット商さんなどがいるところと、いないところがある。
静脈ルートの状況も地域によりさまざまです。それぞれの地域の実情にあったやり方で定着してきたのが分別収集の仕組みであって、国で一定の分別方法を決めて、これに従えというのは非現実的な部分が多いと思います。
今後それぞれの自治体の運用の仕方で、いろんなサンプルが出てくるでしょう。私どもも優良な事例の紹介などをやってきていますが、そうした積み重ねから、あるべき方法というのが出てくるのではないかと思います。
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大量生産、大量消費社会に対する反省を踏まえて、社会全体を循環をめざしたものにしていこうという方向を明確に打ち出したものです。事業者も事業活動のありかたを見直すとともに、国民一人ひとりが自分のライフスタイルを見直すことが大切だと思います。
便利さとともにゴミが増えてきている。これは役所がいうことではないんですが、たとえば家族でハイキングに行くにしても、以前ならお茶を水筒に入れてお弁当をつくっていた。それがコンビニでペットボトルとおにぎりや弁当を買って、でしょ。
まず身近なゴミから、きちんと考えていくこと、それによって事業者も変わっていくと思います。 |
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