第三部企業・業界の現場から
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石塚 幸男
ジャスコ株式会社
社長室 環境・社会貢献部 部長
プロフィール
1955年兵庫県西宮市出身。1978年ジャスコ入社。東北カンパニー、人事教育部長などを経て1999年4月、ISO推進プロジェクトリーダー、2000年4月より現職。
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発言要旨
6月28日にマルチサイトでISO14001認証を取得した。企業の理念をあらわすのが商品だが、ジャスコでは環境保全型商品のプライベートブランドとして「共環宣言」を発売している。5月末からは「マイバスケット運動」をスタート。
小売業界全体の取り組みとして広がることを期待。全国372の店舗は地域のリサイクルの拠点であり、情報発信基地。今後ともお客様をはじめとする方々とのパートナーシップで、環境対応に取り組んでいきたい。
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──リサイクルの推進に向けて、ジャスコさんとして、どのように取り組んでおられますか。 |
まず、我々小売業の「顔」になるのが商品ですが、この3月にプライベートブランド(自社開発商品)を再編成しまして、5ブランドを「トップバリュ」として統合。環境保全型商品を「トップバリュ共環宣言」と名づけ、6月に72アイテム発売しました。
再生資源を有効活用した「リサイクル」、生活排水や有毒ガスに配慮した「クリーン」、自然素材を使った「ナチュラル」、この3つの視点で商品を開発するものです。
回収したアルミ缶を再生利用したガスレンジ用マット、牛乳パックと古紙を利用したトイレットペーパーやティッシュ、ペットボトルをリサイクルした水切りゴミ袋や傘など、再生資源を有効活用したアイテムが数多く揃っています。
今年度中に220アイテムを開発するのが目標です。 |
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当然、お客様にご購入いただきご使用いただけることを大前提にスタートしています。販売すると同時に環境月間に環境保全商品のリーフレットを配布したり、プライスカードで商品開発の姿勢をアピールしたり。
また、店頭の食品トレイやアルミ缶の回収BOX周辺にポスターを貼り、リサイクルされたものがどのように商品化されているのかを紹介するなど、商品開発の意図をお伝えし、品質面でも価格的にもご納得いただければ、継続してご購入いただけるものと考えて
います。
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──でも、たとえばチラシなどには特売品が並んでしまいがちですよね。 |
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お値打ち価格でのご提供を前面に打ち出すという考え方は徐々に変わってきています。店舗が地域の情報発信の拠点となるためには、価格訴求だけではダメ。環境への取り組みを紹介したり、企業姿勢を伝えていかないと。
「チラシそのものがゴミ公害なんだ」と岡田卓也前会長も申しておりまして、社内にチラシ見直しの号令がかかっているんですよ。
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プライべートブランドの容器包装に関わる部分では、Reduce──包装用資材そのものを削減しているほか、Reuse──詰め替え商品を販売して本体の容器を再利用していただく、できるだけ単一素材の容器を使うことによって分別排出をしやすくしたり、
素材表示を徹底しています。また、ゴミとして出しやすいように体積を削減、焼却時にダイオキシンなどの有毒物質が出ないこと、といった基準を作っています。
家庭ゴミの大半は容器包装材ですので、不要な容器包装をできるだけ省き、また食べきれずに捨ててしまうということがないように、野菜などを中心に、バラ売りやはかり売りも推進しています。
バラ売りは商品同士が裸でふれあうため、商品によってはパックで管理しているよりも傷みが早いという問題はありますが、辛抱強く取り組んでいこうと考えています。
また農産物をリターナブルコンテナで仕入れることによって、輸送用ダンボールの削減にも取り組んでおります。
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| 野菜のはかり売り |
農産物は、産地でリターナブル
コンテナに入れられて納品される |
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2000年度の委託料は約2億円です。このうち約4割を占めるのが、食品ポリ袋をはじめとするポリ製の袋です。このため、食品ポリ袋の軽量化を図りました。2〜3月に耐久性のテストをして、上期で切り替えが完了する予定です。
食品ポリ袋の削減をめざす活動として、チェーンストア協会全体で進めてきた「買物袋持参運動」があります。当社ではレジでスタンプカードを渡し、食品ポリ袋を辞退すると1回につき1個のスタンプを押し、スタンプ20個で100円返金するというものですが、
食品ポリ袋をさまざまな用途で使っておられるお客様もおられ、使い勝手も良いことやご利用者が固定化されつつあるなどから、このところちょっと頭打ちの傾向が出てきています。
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99年度で3.51%です。年々増えてはいるのですが。 |
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──うーん、少ないですね。ポリ袋の有料化がいちばん効果があると言われていますが、やはり踏み切れない? |
当社は全国で展開していますが、地域によっては食品ポリ袋はお店のサービスだという意識が強いところもありますので、なかなか……。
そこで、私どもが5月30日の消費者の日からスタートしたのが「マイバスケット運動」です。これは主にお車でご来店のお客様をターゲットにしたものなのですが、300円で「お持ち帰り用カゴ」を買って店内用のカゴに重ねてお買い物をしていただき、
レジのさいに店内用のカゴから「お持ち帰り用カゴ」に移すことで、カゴのまま持ち帰ることができる、というものです。カゴは販売という形を取っていますが、不要になったら返品していただければ300円はお返ししますので、お客様の実質的な負担はありま
せん。
滑り出しは好調で、初日には約8000個のカゴをお買い求めいただきました。ジャスコをはじめとする、食品を取り扱うイオングループ内の13社700店舗で実施しています。
この「マイバスケット運動」は、他社との差別化戦略として考えているわけではありません。小売業全体で協調して取り組み、A社のカゴがB社でも使えるようにしたいと考えています。そういう意味でも、ぜひ成功させたい。
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──スーパーは、リサイクルの拠点ともなっています。 |
ええ、牛乳パック、食品トレイ、アルミ缶、ペットボトル(一部地域)を店頭で回収しています。従業員の作業量や、回収コストを負担しなければならないなど、コスト的にはしんどい部分もありますが、自治体の拠点回収が整備されるまでは、
地域のリサイクルの拠点として機能することが私どもの社会的な責務だと考えております。
年々お客様のリサイクルに対する意識は向上していまして、2000年度は前年対比5%アップの目標に対し、なんと2ケタも伸びています。
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全社的に把握するのはなかなか難しいのですが、マックスバリュ四日市店では、販売数量に対し、アルミ缶16.1%、食品トレイ18.9%、ペットボトル14.7%、牛乳パックでは47.1%というデータがあります。
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──かなり高い数字ですね。よそで購入したものも回収BOXに持ってくるからでしょうが。 |
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1店舗だけの数字ですが、ひとつのめやすにはなる数値だと考えています。今後はサンプルを増やし、データの精度を高めていきたいと考えています。
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──流通という立場ですと、環境にまったく配慮していない商品も扱うことになるわけですよね。そのあたりについてはどうお考えになっていますか?
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お客様に情報をきちんと提供していくことが大切ではないかと考えています。これは環境とはちょっと違うのですが、99年9月より他社に先駆けて遺伝子組み換え表示をスタートしました。
お客様が判断できるわかりやすい情報が必要だという観点で言いますと、たとえば冷蔵庫やエアコンなど省エネが進んでいますが、家電各社ではいろいろな表現で訴求していて、違いがよくわからない。
これを整理して、各社の製品が横並びで比較できるようなジャスコ独自の表示を工夫しています。 |
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───この6月28日には、ISO14001認証をマルチサイトで取得されました。石塚さんは取得推進のプロジェクトリーダーでしたね。
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地域や店舗によって条件が異なりますし、一律のマニュアルで運営する難しさはありました。また、社員・パートタイマー・アルバイトや、施設・清掃・廃棄物処理など店舗を取り巻く業務委託先の従業員を含めて、全国10万人が、
環境方針に基づき環境保全への取り組みを徹底していくという難しさもありました。でも、お客様を原点として、地域社会に貢献するという部分では共通です。
ISO14001の活動が単にケチケチ運動になってはつまらない。やはり、小売業であるからには価値のある商品やサービスを提供していくこと、そして商品を通じてお客様とパートナーシップを育んでいくことが何よりも大切だと考えています。店舗は地域の拠点です。
今後とも、地域に根ざした環境保全活動に取り組んでいきたいと思います。 |
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