食のGOOD NEWS
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VOL.24: より高品質で安全・安心なつくだ煮づくりを追求する

東三河臨海工業団地にあるHACCP対応の御津工場
三河湾の豊富な海の幸にめぐまれた愛知県豊橋市は、全国でも昔からつくだ煮づくりが盛んなところです。この地で1922年(大正11年)に創業し、伝統の製法技術を守りながら、時代のニーズにマッチしたつくだ煮をつくり続けている平松食品。国内だけではなく海外のマーケットにも目を向けて、日本の伝統食品であるつくだ煮をアピール。食材としての新たな魅力を提案して、消費の拡大に取り組んでいます。原料や製造工程におけるこだわりや導入している最先端の衛生管理システム、海外での幅広い活動などについて、代表取締役の平松賢介さんにうかがいました。
――扱う原料や製造の方法には、創業以来のこだわりがあるそうですね。

食材としてのつくだ煮の魅力について熱く語る平松社長
当社はアサリやハゼ、イワシなどの甘露煮を主に製造するメーカーとして、創業から今日まで歩んできました。現在、つくっている商品は25アイテムほどで、原料として15種類の小魚などを扱っています。
原料の魚は、通常のつくだ煮で使う乾燥したものではなく、鮮度の良い生魚を吟味して使い、特殊な製法でつくっています。生魚を加工して焼き上げ、しょう油や砂糖などを加え炊き上げて、さらに特別なタレをぬって仕上げる。全ての工程には3日間かかります。これは創業から変らない伝統のつくり方です。おいしい商品をつくるためには、この時間がとても大切で、私たちはこの製造工程を「時(とき)仕事」と呼んでいます。
原料や調味料の品質にこだわり、一つひとつの仕事を大切にする。さらに最新の衛生管理システムで安全・安心も心がけて、じっくり時間をかけて仕上げています。
――衛生管理への取り組みには、以前から力を入れているそうですね。

ISO9001:2008、22000。HACCPの認証を取得。優れたものづくり企業を県が認定する「愛知ブランド企業」でもあり、安全性の高い食品を製造しています
より高品質で安全性の高いつくだ煮をつくるため、当社では早くから衛生管理システムの導入に積極的でした。この工場(御津工場)を建設したのは2000年ですが、当時は消費者の食品に対する安全・安心への関心が一気に高まったときでした。以前から、製造工程を細分化して、それぞれの工程ごとに安全性を確保するというHACCPの発想を学び、共感していたことから、HACCPに対応した理想の工場をイメージしてつくりました。
04年には、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001:2000、食品の安全性確保のための製造システム規格であるHACCPの認証を取得。05年には、国内で初となるISO22000の認証も取りました。(ISO9001:2000は2010年3月1日にISO9001:2008へ移行が完了致しました。)
厳しい審査が課される認証取得への取り組みは、社員にとってもよい経験となり、組織の活性化にもつながります。常にチャレンジし続けることは、会社にとって大事なことなのです。認証の取得によって、お客様からの信頼も得ることができ、その結果、当社の商品が高く評価されるようになったことも大きいです。衛生管理への徹底した取り組みは、当社のオリジナリティの一つですね。
いろんな素材とのコラボで、新しいおいしさをつくる
――海外でのマーケット拡大にも積極的ですね。

3月1日から2日までアメリカ・ニューヨークで開催された「インターナショナルレストラン&フードサービスショー」に出展

海外のイベントでシェフと交流を深める平松社長中国、台湾、アメリカ、カナダなど、海外の食のイベントに今年度は8回出展しました。海外に直接出て行くきっかけとなったのが、2005年に愛知県で開かれた「愛・地球博」です。このイベントに当社も出展し、来日した多くの外国の方々につくだ煮を試食してもらう機会がありました。反応が良かったことから、これはいけると確信しましたね。
海外のイベントに初めて出展したのが06年で、開催国は台湾でした。このときは準備と運営に大変苦労しましたが、お客様の反応を直接見ることができ、その後は出展する国、地域をどんどん増やしていきました。
国内外の食のいろんなイベントに出展するようになって、つくだ煮という食品の小さなマーケットのなかでしか動いていなかったことに気付かされました。全く異なる世界へ足を踏み入れたとき、以前には得られなかったいろんな反応や情報をいただくことができ、他の食品のジャンルの方々とのコラボレーションなど、新たな形としての動きも生まれています。こうした経験は商品開発にも活かせるし、社員の意識を高めることにもなる。たくさんの収穫がありましたよ。
海外に出て行ったらつくだ煮がなかったので、思い切って飛び込むことができた。そこの国の食文化にどうやって入っていこうか。いつもそのことばかり考えています。外国の方には、味のイメージがしやすいようつくだ煮を「テリヤキフィッシュ」とネーミングして紹介しています。なじみのない味や匂いにみなさん最初は驚きますが、口にすると多くの方から良い反応が返ってきますよ。
――今後の目標を聞かせてください。

モンドセレクションで金賞を受賞した「いわし甘露煮」
食材としてのつくだ煮をもっと広めていきたいですね。ご飯のお供としてだけではなく、いろんな素材とのコラボレーションを考えて、新しいおいしさをつくりあげていきたい。また、地産地消ということで、消費者のみなさんが知っているような地域の素材を使った、季節感のあるつくだ煮をつくることができればとも考えています。
商品づくりに活かすため、これまで国内外の食品コンクールにも積極的に出品してきました。世界食品コンクール「モンドセレクション」では、当社の「さんま蒲焼」「いわし甘露煮」が05年から5年連続で金賞以上を受賞しています。こうしたコンクールでの評価を励みにして、味や食感などさらに改善していきたいですね。
また、消費者とのコミュニケーションも大切なことで、工場見学や当社の直売店「美食倶楽部」でのお客様との対話を通して、当社のつくだ煮づくりへの理解を深めてもらうと共に、いただいたご意見を商品づくりにも反映させていきたいと思っています。
日々仕事に取り組むなかで、今度はどんな新しいことをやろうかと常に考えています。昨年も出展したイベントであっても、今回は別の何か新しいことを企画して実行する。そんな発想を忘れないよういつも心がけています。
レシピコンテストでいろんな食べ方を紹介

つくだ煮を使ったレシピ「ワカサギとチーズの前菜風」
平松食品が行っているユニークな事業のひとつに、毎年開催しているつくだ煮を使った「おしえてレシピコンテスト」があります。今年度のテーマは同社の「篠島産甘露ちりめん」を使ったお酒のおつまみレシピで、3月19日にコンテストが開かれます。応募のあった作品から選出された10作品について社内で試食会を開き、一般審査員によって最優秀賞など各賞を選びます。今回で19回目となるこのコンテスト。毎回、全国の消費者から多くの参加申し込みがあり、集まるレシピは250以上になるそうです。同社のホームページでは、コンテストで入賞したレシピを中心に、つくだ煮を使ったいろんな食べ方を「つくだ煮DEレシピ」のコーナーで紹介しています。ぜひご覧になってみてください。
平松賢介(ひらまつ けんすけ)1961年愛知県豊橋市生まれ。北里大学水産学部卒業後、愛知県一宮市にある惣菜メーカー・岩田食品で3年間修行し、祖父が創業した平松食品に入社。2000年に代表取締役に就任。国内だけでなく海外の食のイベントにも積極的に出展し、つくだ煮のおいしさを世界に発信。出張で各地を飛び回る忙しい日々を送る。趣味は模型作り。
このコーナーではFCPに参画している企業の取り組みを取材し紹介していきます。下記アンケートフォームから皆さんのフィードバックもお待ちしています。
(update:2010.3.18)
(記者:グッドニュース・ジャパン・新美貴資)
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