美しい味の日本 特集 Vol.1 神の魚ハタハタ (秋田県男鹿半島)
文・島村菜津 写真・たかはしじゅんいち 協力・スローフード秋田、秋田県、男鹿市観光協会
秋田県男鹿半島の沿岸では、正月を控えた年の暮れ、神の魚が海の底から湧くように姿を現す。ハタハタ属ハタハタ。漢字では文字通り魚ヘンに神と書くこの魚は、秋田県人にとってなくてはならない冬の味覚だ。 乱獲による絶滅に瀕し、一時は禁漁を余儀なくされたこの魚も、県人の愛着と数々の努力が実を結び、近年徐々に漁獲が戻りつつある。なれ鮨にしょっつる鍋。旨さ折り紙付きのこの魚を男鹿半島に追った。
Vol. 1 神の魚ハタハタ(秋田県男鹿半島)
漁場はすぐそこ。30分で舟が満杯に…ハタハタ漁
真夜中のまっくらな浜に、縁日のように賑やかな灯りが瞬いている。ハタハタがやってきたのだ。近づけば、浜は、漁師たちの豊漁の喜びと憑かれたような熱気に満ちていた。
杉山秀樹さん“世界に誇れるスローな沿岸漁の試み”
杉山さんは、今もハタハタの孵化実験に余念がない。乱獲と海洋資源の確保が注目される昨今、ますます忙しくなりそうなスロー学者である。
男鹿でしか味わえない新鮮なハタハタ寿司も
本当においしいものは、その旬の時期に、現地にいかなければ口に入らない。その代表のようなものが、このハタハタ料理。そこで、男鹿でも評判のすし屋『亀寿司』にやってきた。
地元の努力で復活。本物のしょっつる
そもそも「秋田のハタハタのしょっつる」は、石川県のイカの内臓を使った「いしる」、千葉県の「いかなご醤油」とともに日本三大魚醤油のひとつだった。
謎多きなまはげ、その面の多様さに脱帽
『男鹿真山伝承館』では、重要無形文化財である、なまはげ文化に触れることができる。古民家の中で待っていると、真山に暮す近所のおじさんたち扮するなまはげがやってくる。
- 島村 菜津
- 1963年福岡生まれ、東京芸術大学、美術学部卒業。ノンフィクション作家。著作に『フィレンツェ連続殺人』(新潮社)『エクソシストと対話』で二十一世紀小学館ノンフィクション大賞優秀賞。『イタリアの魔力』(角川書店)、『スローフードな人生』(新潮社)、『スローフードな日本』(2006年2月発行、新潮社)、共著に『十人の聖なる人々』など。
(更新日:2007.2.1)
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