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木村さんの育てられたりんご。一般のりんごとの大きな違いは、芯がないことです。すべてが果肉でまるごと食べて、口に残るのはいくつかの種だけ。これが本来のりんごの姿なのか、わたしのりんごへの常識が崩れ去る瞬間でした。さらにりんごの果肉が酸化して褐色に変化することが少なく、切り口がきれいなままなのも大きな違いの一つでしょう。酸化しにくいんでしょうね。 農薬を使わないでも収穫できると言うことは、言い換えれば、病気や虫に冒されにくい環境が作られている証です。いわゆる元気な健康なりんご、と言う表現がピッタリの木村さんのりんご。
では、なぜ木村さんだけが、元気なりんごを作れるのでしょう。答えは、いともシンプルな「肥料をいれていないから……」。このシリーズのはじめの回で、無肥料栽培のことに触れましたが、木村さんのりんごもまさにこの無肥料栽培法で育てたもの物なのです。要は、土の、そして自然のメカニズムを知り、土の偉力を最大限に発揮させることなんだ。人間が良かれと思って供給してきた肥料成分がかえって自然界のバランスを壊し、そのつけとして、農薬を使わざるを得ない弱い不健康な作物しか作れなくなってしまった。と木村さんは語っています。肥料を施さないで育った作物は、一般の肥料を施した作物より生育期間こそ多少長くなりますが、その分太陽をたくさん浴び、よりおいしくなります。そして根を見ると、あきらかに一生懸命生きようとした証拠として、根っこの量は比較にならないほど旺盛に伸ばしているんです。人間も足腰が重要だと言いますが、作物も根っこがしっかりしていないとだめなんですね。
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写真のりんごとジュースはナチュラルハーモニー各店で販売中。
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写真に写っているりんごジュース。その前にあるのは木村さんのりんごです。右のは、2年前のりんごです。腐ることなくドライフルーツ化しています。そして左のは、1年前のりんご。いい香りを放ち、食べるとアップルパイのようにとろけるうまさです。こらは植物全体に言えることですが、本来彼らは、決して腐りはしません。どれもみな枯れてゆくものです。もちろん野菜や果物もです。しかし、今わたしたちが口にする作物のほとんどが、そのまま置いておいたら腐ってしまうものばかり。どこかおかしいですよね。この木村さんのリンゴジュースは通常使われている酸化防止剤は添加されていません。りんご自体にちからがあるため、必要ないそうです。そう言えば、今年の春先、畑にお邪魔したとき、そこいらに放置されていた2,3年前に瓶詰めしたらしきリンゴジュースを木村さんの反対を押し切って飲んだことがありますが、何も問題なくおいしく飲んだことを思い出します、ちょっとワインになりかけていましたけど。
無農薬のりんご。人々は現代の奇跡、と言いますが、ちょっと角度を変えて人間サイドからではなく、作物サイドからものを見れば自然観や世界観が変わり、そんなに難しくないかもしれません。スローライフってそういうことかもしれませんね。
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