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屋慶名の港を見下ろす展望台。風が少し強いけれど、空は快晴だ。予報では雨が降ることになっていたのだが、「取材では雨に遭ったことがない」というふたりのおかげだろう。360度、豊かな自然を見渡すことができる。彼らにとっては地元も地元、名嘉が左手のほうを指差して「ウチはあの山の向こうですよ」と言えば、新里は右手の方角にある港を指差して「ウチはあのあたりですね」と、言う。
「この景色はいつ見てもジンときますよね。ここで育って、ここが自分たちの足場だっていうくらい、この海と港はいつも遊んでましたね。この展望台にも来てたし。海は小さい頃は泳いだりしてたし、釣りはいまでもやりますよ。屋慶名はカニが有名なんですよね。ワタリガニが。キスとかコチとか、あとはミーバイ(ハタ)とか」(新里)
「最近は、釣ったら居酒屋に持って行って、1000円で料理してもらうんですよ。おいしいですよぉ(笑)」(名嘉)
彼らをはじめHYのメンバーは、揃って沖縄が好きだということを公言してはばからない。実際、彼らは1日でも休みがあればそそくさと沖縄に帰っていく。移動の時間やその際の疲労を考えても、彼らはやはり地元で過ごすことのやすらぎを選ぶ。

「やっぱり離れてみてわかるっていうことはありますよ。HYとして県外に出ていくまではこれが当たり前でしたけど、外に出て帰ってくると改めてこの良さをすごく感じますね。東京に住むなんてことはメンバー全員、あり得ないですね」(名嘉)
ほんの短い時間、港の周りを歩き、風に吹かれながら展望台から周囲を見渡しただけで、その気持ちはわかるような気がする。が、それにしても、この場所の何がそんなに素敵に思えるのだろう?
「田舎臭いっすよね(笑)。何もないから、いいんですよ。時間の流れもゆったりしてるし」(名嘉)
「ここには何もないけど、自然はいっぱいあるから」(新里)
「生活に必要なものは普通にあるから。ゴミゴミしてないのが、いいですよね。東京は僕らにとって狭っ苦しいから。でも、みんな地元は好きなんじゃないですかね。嫌いな人、いますかね?」(名嘉)
そう聞き返されて、少し困ってしまった。確かに、その通りかもしれないとも思う。しかし、自分たちが生まれ育った場所に対してこれほどの確固とした愛着を持っているのはやはり特別であるようにも思う。だから、その愛着の“中身”をもっと詳しく知りたくなる。
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