地球にリスペクト! Vol.10

「この場所は自分たちに教えてくれることがあって、考えなきゃいけないって思わせてくれるんです」(新里) 新里英之さん&名嘉俊さん(HY)ミュージシャン

新里英之さん(HY)

彼らの愛着は、沖縄の豊かな自然だけに向けられているものではないだろう。この場所で暮らしている人々、その人たちが営む暮らし、そしてその連なりとしての伝統みたいなものの全体を彼らは愛しているように感じられる。たとえば、子どもの頃から聴いて育った民謡という形で、そうした沖縄の伝統は彼らの体の中にしみ込み、音楽家としての彼らの"今"を形作る大きな要素になっている。
「小さい頃は、夜10時頃、寝る頃になると三味線が聞こえてきたりしてましたね。だから、三味線を聴きながら寝てたことも少なくなかったと思いますよ」(名嘉)
「三線はそばにあったから、オモチャ感覚で触ってました。で、ギターを弾くようになって、そうしたら三線も弾けるようになりましたね。三味線の音の使い方は体に入ってるから」(新里)
そして、その場所で感じたことのひとつひとつが、音楽として素直に表現されることになる。

「曲と歌詞に無意識のうちに入ってると思いますよ」(新里)
「こういう環境でないと書けないんだなあっていうことはあらためて思いますよね。東京で書いたら、どうなるんでしょうね。多分、書けないと思いますけど。僕なんか、家のベランダでボーッとしながら書くのがいちばんですからね」(名嘉)
たとえば、「そこにあるべきではないもの」という曲では、沖縄を徐々に侵食し始めているゴミの問題に目が向けられた。

新里英之さん&名嘉俊さん(HY)

「あれは衝動的っていうか。昼間、おばあちゃんがずっとゴミを拾ってて。そう言えばゴミが増えてきたなあって思いながら、そのまま仕事に行って帰ってきていろいろ考えてたらできたんです。でも、テープを聴き直してみたら、“これはヤバイ、みんなに聴かせよう”って思って」(名嘉)
「その歌詞の内容の通り、ゴミの問題があって、実際汚れてきてるし。で、おばあちゃんたちが拾ってるんですよ。かなりの高年齢なのにみんな掃除してくれ て。ホントは若い人間がやるべきなのに。そういう部分でも、この場所は自分たちに教えてくれることがあって、考えなきゃいけないって思わせてくれるんです」(新里)