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それでも、そんな場所でもやはり生活には変化が起こっている。
「おばあちゃんがリモコンを使えるようになった時点で変わってきましたね(笑)」(新里)
「あと、お父さんとお母さんがちゃんとメール打てるようになってきたし(笑)」(名嘉)
そんなふうに冗談めかして彼らは笑うけれど、彼らが気にしているのはゴミの問題だけではない。
「あの橋(と、港の入り江に架かった橋を指差し)ができた頃は根性試しで飛び込んだりしてたんですよ。それで警察に叱れたりしたんですけど(笑)。でも、最近は橋の内側は流れが悪くなったせいかしらないけど、臭くなってきましたもんね」(名嘉)
「あっち(と、反対側で建設中の橋を指差し)、昔は魚がたくさんいたけど、今はどうだろうね?」(新里)
「沖縄がきれいだって言われるのもあと何十年かな、とは思いますけど。みんなが気をつけないと、そうじゃなくなっていくだろうなって思うし。身の周りがどんどん便利になるにつれて、そのデメリットで汚れていったりするから。そこはみんなの気持ちの持ちようですよね。“ま、いいか”ってゴミ捨ててたら、どんどん汚れていくのと同じですよ。でも拾うのは、捨てるのよりも何倍も大変ですからね。だから、僕らもバンド全体で環境問題は少しずつ考えて実行してるんです。この前のツアー中はずっと割り箸を使わずに“MY箸”を使ってたし」(名嘉)
海の蒼と森の緑を見渡し、爽やかな風に吹かれながら、最後に豊かさについて聞いてみた。ふたりにとって豊かな場所とはどんなところなのだろう?
「最低限のものがあればいいんですよ。最低限、住めればいいんです。豊かな世界っていうのは、帰れるところがあればいいんじゃないですかね。帰って心を休められる場所があれば、それだけで豊かだと思うんですけどね」(名嘉)
「豊かな場所っていうのは、Shunのお父さんの場所ってこと?」(新里)
「まあ、オレのお父さんの名前は豊だけどねえ(笑)」(名嘉)
「(笑)。豊かな場所って自分にとって落ち着く場所、じゃないですかね。気持ちがホッとできたら豊かな気持ちになれるし」(新里)
おそらく、“豊か”とは何かがあり余るほどにたくさんあるということではないのだろう。必要なものがすべて、確かな意味と十分な内容を持って揃っていればいいのではないか。彼らの話を聞いていて、そんなことに思い当たった。そして、まだ全然“豊か”ではない僕は、もうひとつだけ聞きたくなった。もっと欲しい!と思うことはないか?と。
「(ゴルフで)ドライバーを真直ぐ飛ばしたい、かな(笑)」(名嘉)
「サーフィンをもっと上手くなりたいですね。2年くらいやってるけど、まだ立てませんから(笑)」(新里)
彼らの欲は、もっぱら音楽と個人的な趣味に対してだけ向けられている。
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