地球にリスペクト! Vol.11

「豊かな暮らし? 要するに沖縄の暮らしみたいなものですよ(笑)」宮沢和史さん(GANGA ZUMBA) ミュージシャン

宮沢和史さん

 それは、楽観的な未来指向というようなものではなくて、むしろ現在の地球の状況に対するシビアな認識が現実的で具体的な行動を彼に促しているのだろう。

「今日はエコの取材だということで、いろいろと考えてたんですけど…、ホントにオレのクルマは燃費が悪いんですよ。それで、ガソリンを使い放題使ってるし、昨日もスタジオで夜中の3時、4時まで電気を使ってガンガンやってるし。何もここで語れる資格なんてないのにどうしよう?って思ったんですけど、でもいろんなエコのグループや動物を守ろうってがんばってる人たちの話を聞いてても、原理主義に入り込んじゃうのは怖いなあと思うんです。そういうふうになっちゃうと、みんな一緒にやれないから。で、やれないから、“いいよ。楽しむだけ楽しめば”って刹那的になっていくっていう。悪循環ですよね。“いいよ、今日楽しけりゃ。オレの人生なんだから”ってなっちゃうと。やっぱり、いきなり100点取れって言われたって、できないですよね。でも、100点取れないからって0点でいいかっていうと、それも違うじゃないですか。10点、20点でも…、具体的に言えば、“私はシャワーを浴びるときには必ずいちいち止めながらやる”と。それを10年間、みんなでやれば最終的には相当違うんですよね。水がもったいないってことじゃなくて、二酸化炭素の排出量が。できるだけ界面活性剤を使ってない洗剤を使うとか。それだけでも、みんながやれば大きなことになりますからね。100点とれなくてもいいから、できることをひとつでもふたつでもいいからやるっていうこと。これは決してかっこつけじゃないし。自分に対しての言い訳にもなりがちだけど、でもそれでも何もしないよりはいいと思うし。箸を持ち歩いてる人がいますよね。昔は“何、かっこつけてんだよ”っていうふうに思ったこともありましたけど、今はそれだけでもすごいことだなあと思うし。そういうことでいいんじゃないのかなあって思うんですよね」

宮沢和史さん

 最後に、豊かな暮らしのイメージについて聞いてみた。

「男たちはワイワイガヤガヤやって働いて。エッチな話なんか、しながらね。女性たちは女性たちで得意なことに励んで、子どもたちは生き生きと走り回って。で、大地とともにいて、嵐が来ればみんなで泣いたり、日照りが続いたところに雨が降ればみんなで笑ったり、大地から穫れるものに感謝して。そこに時々、音楽があって、みんなで歌ったり、祭りがあったり。要するに、沖縄の暮らしみたいなものですよ(笑)。僕が今やってる生活とはまるで違うから、“何、言ってんだ”と言われちゃうかもしれないけど、でも豊かな暮らしのイメージは?と聞かれれば、そういうことになりますね」

「人間は地球の一部なんだ」と彼は言うけれど、人間の豊かさもまた大地からもたらされると彼は考えているようだ。そして、それは確かにその通りだろう。豊かな恵みを与えてくれる大地と、未来を描くイマジネーションと、僕たちはその両方を持ち合わせている。その事実を、彼は今日もまた地球のどこかで僕たちに歌いかけてくれる。