vol.19 街にココロに菜園を
緑化隊/ 藤安義雄さん
Profile
1956年鹿児島県生まれ。1978年日本大学文理学部卒業。卒業後大手ハウジングメーカーに就職。1981年学生時代の友人が設立した(株)学生情報センター専務取締役就任、広告的な人材派遣を開始する。1984年 株式会社エス・ピー・エスを設立、代表取締役社長に就任。人材教育並びに人材ビジネス全般、販売促進カウンセリング、社員研修、セールスプロモーション用人材の育成派遣、イベント博覧会などの運営など行う。2004年に同社を売却。2004年9月APMジャパン株式会社の代表取締役に就任。ペットグルーミング出張サービスのフランチャイズの事業を行う。
2005年株式会社緑化隊を設立。2009年8月より緑化隊事業の本格的活動を開始。

ビル屋上のサツマイモ畑 2010年夏、汗を流しながらビルの屋上菜園で作業する藤安義雄さんの姿が…。今回ご紹介する藤安さんは、学生時代はスキーツアーやTV局スタジオに観客を動員するという学生ビジネスのはしり、その後も「人材派遣」という言葉もまだ使われていない頃、広告的な人材を派遣することを始め、販売を担うプロモーションや営業マンを派遣する仕事の草分け的存在。そんな藤安さんが、現在「緑化隊」という社名のごとく屋上菜園や建物緑化のメンテナンス等、緑化や農業分野の仕事をするようになったのは・・・
ヒートアイランド対策の取り組みをサポート
地球温暖化防止対策の一つに緑化事業が挙げられますが、都市部では緑の減少がヒートアイランド現象の要因の一つとなっています。都市の気温が上昇するヒートアイランド現象は、日射により建物等に蓄積された熱が大気中へ放出されることがあげられます。この現象の緩和に一役買うと期待されているのが屋上緑化で、緑化隊は土壌の軽量化など、緑化技術の課題克服に取り組んでいます。

屋上菜園でメンテナンス作業をする緑化隊 2001年、東京都が1000平方m以上の土地に建つ建物を新築・増改築する際、一定割合で屋上緑化を義務づけました。その後、地球温暖化防止への関心が高まり需要が急拡大し国土交通省の調査によると、 2000年に13.5ヘクタールだった屋上緑化の累積面積は、2008年には約18倍の約242ヘクタールになり、ますます仕事は増えそうだという。
屋上緑化はビルの表面温度を抑える効果があり、夏場、コンクリートがむき出しとなったビル屋上の表面温度は日中で50〜60度にも達し、周りの空気を暖めています。建物が日射により熱せられると、蓄積された熱が夜間に放出され、気温が下がりにくい状態が続きます。その屋上を草木で覆うことで、ヒートアイランド現象を緩和しようというわけです。草木に含まれた水分が葉から蒸発する「蒸散作用」などによって、通常なら50度以上に達する表面温度を、約20度引き下げることができると言います。
この法規制により都心の大手企業が建物緑化に取り組んでいますが、コンクリートの屋上という過酷な条件で植物を育て管理をしていくことは企業としては苦手な分野です。そこで藤安さんの緑化隊は、都市緑化をしたいという企業のサポート隊として活動し、屋上菜園や建物緑化のメンテナンスを行っています。「自動給水装置と葉っぱや茎の状態を点検します。枯葉を除去したり芋虫を捕まえたりします。屋上緑化や屋上菜園を作って少しだけ人の手間をかけることによって都心でヒートアイランドを抑制しながら人の心を癒す空間の創出と維持に努めています」
サツマイモで屋上緑化に子どもたちも参加

2010年5月「屋上にサツマイモ畑を作って校舎を涼しくしよう」とNTTファシリティーズと新宿の小・中学校が協力して芋畑を作りました。これには子供たちも授業の一環として参加し、藤安さん率いる緑化隊はバック型のプランターと土、肥料を用意。子供たちがそれをプランターに詰めて屋上に運び上げ、大勢でワーワー言いながらサツマイモ畑が完成。
「子供たちからは、『お水はどれくらいあげたらいいのですか?』『カラスに食べられないようにするにはどうしたらいいですか』『虫はどんなのがやってきますか』など質問攻めにあいました。最後は仲良くなって『キャーキャー』と水のかけっこになってしまいましたが…」と楽しそうに話す藤安さん。
葉の面積が大きく、重なりあうことでヒートアイランド対策の効果が高いサツマイモで屋上緑化。ヒートアイランド対策に大きく貢献できるそうです。使用した袋型のプランターは(株)NTTファシリティーズが開発したもので、袋を置けるところがあればどこでも菜園が作れる画期的な環境緑化資材だそうです。
「屋上という特殊な環境で発生する害虫をどう駆除するのか、地域ごとにどのような植物が屋上緑化に向いているのかなど、今後解決すべきことがまだ多い」と藤安さんは言う。屋上緑化はまだ歴史の浅い技術です。過去に施工したケースの経年変化などを地道に追跡し、データを集め、人工土壌や施工方法を改善するなど、取り組むべき課題は多いと藤安さんはファイトを燃やしています。

班ごとに生徒が協力し合ってプランターに土を

屋上に運び、これから苗木を植えます
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