
いろいろな研究を進めていくと、地球の将来が見えてきます。地球の海水は永遠ではありません。地球の海水の量は、ある時代まで増えてきたわけですが、あと10億年くらいたつと海はなくなります。火星と同じ状態になります。その時が生命の終わりということになりますが、そういう生命の歴史の中で、環境の不連続的な変化が何回も起きました。例えば生物の大量絶滅と同時に新しい生物の旅立ちという生物の入れ替わりが、過去6億年の間でも5回起き、現代は6番目の大量絶滅が起きていると言われます。
実は地球の温暖化は、結果であって原因ではないのです。太陽は11年周期で、黒点の数が増えたり減ったりします。あの黒い点は低温ではなくて、実際にはものすごい大爆発です。大爆発のフレアのサイズというのは地球のサイズの何十倍にもなる。それぐらいの巨大な爆発が起きると、地球には11年周期で大量のエネルギーが降り注いで、暖かくなる。黒点の数が非常に減った17世紀にはテムズ川が凍りついた。

ヨーロッパでは「EU2020」や「ジャーマニー2020」など、2020という数字をつけた国家的なプログラムが動いています。日本は鈍感です。
すべての問題の原点は世界人口の増加にあります。100年前に17億人だった人口が今は64億人を突破しました。この異常な増加が永遠に続くのかというと、それは不可能です。これが2020年問題の本質です。
一言で言うと、過去1万年に経験したことのない未曾有の時代がやって来ます。人口の異常な上昇が永遠に続くことはありません。食糧がなくなるからです。減少に転ずる必要があって、そういう人類史上の初めての転換点がやって来るということです。
そこで、世界人口の計画的な適正化をどのように進めるかということと、地球の化学環境の体制が重要になります。これら2つを、2020年までにスムーズにソフトランディングさせなければいけない。ほんの唯一の可能性として、21世紀というのは科学が新しい段階に入って、予測と制御の時代になりうるというのが希望です。
資源の減少と人口増加の曲線の交差が起きて、大変な時代になると予測されるのが、2020年問題です。科学が進歩してその全貌が見え始めたのです。2020年まで残された時間はあまりありません。
日本にできることは、良質な教育の全世界への普及でしょう。良質な教育の恩恵は日本をはじめとする先進国の6億人しか被っていないのです。ところが、人類の未来は物質文明のありがたさを享受している6億人でなくて、開発途上国の57億人が決めてしまう。彼らにわれらができることというのは良質な教育しかないと思います。
先進国でも実は全員が知的というわけではないでしょう。例えば「自由」の意味を日本でわかっている人は何人いるでしょう。わずかな自由の権利を行使するためには、90%の義務を果たさなければいけない。それが共同体で生きることの最も重要な前提条件です。
そういう困難な時代にいるけれども、同時に未来が見える時代でもあります。それは同時に、先進国の国民の姿勢が問われる時代で、日本人だけでなく、世界のすべての人が国境を越えて運命共同体であることを理解しないといけません。つまり地球人という発想にたってがんばってもらいたいというのが僕のメッセージです。
(2005年2月1日東京都内にて)
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