CONTENT04 わたしたちができること…インタビュー 足立直樹氏に聞く!
自身のこれまでの経験からこれからの活動、私たち生活者が生物多様性のためにできることは何か? 株式会社レスポンスアビリティ取締役で環境省の生物多様性広報・参画推進委員の委員でもある足立直樹氏に話を聞いた。
PROFILEプロフィール
東京大学理学部、同大学院で生態学を学び、理学博士号取得。1995年から2002年までは国立環境研究所で熱帯林の研究に従事。1999年から3年間のマレーシア森林研究所(FRIM)勤務の後、コンサルタントとして独立。多くの先進企業に対して、「どうすれば持続可能な社会に貢献できる企業になれるか」、「信頼される企業になるために、何をどのようにすべきか」を中心にコンサルティングを行う。特に「企業による生物多様性の保全」と「CSR調達(サプライチェーン・マネジメント)」を専門とし、アジアにおけるCSRの推進についても力を入れる。国際NGOナチュラル・ステップ・ジャパン 理事、環境経営学会理事、環境省生物多様性広報・参画推進委員会委員、環境省生物多様性企業活動ガイドライン検討会委員、サステナビリティ日本フォーラム運営委員なども務める。
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1 生物多様性に興味を持ったきっかけ
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足立さんが生物多様性という難しいテーマに興味をもったのはなぜですか?
元々は生態学の研究者だったんです。生物多様性は生態学の中心テーマ。生きものはどういうふうに生きているんだろう、生きもの世界の仕組みはどうなっているんだろう。というのが生態学。生きものの世界をやっていたので、きっかけというよりはそもそもそれを仕事にしていました。
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仕事をする上では、その前に興味を持ったわけですよね。それは何かきっかけがあるんですか?
大学に入る前から環境問題に興味がありました。学生の頃は80年代、いわゆる開発と自然保護の対立の時代です。各地で新しく開発が計画され、地元の団体が反対している。どこかで折り合いをつけなければいけないんだけれど、議論になっていなかった。ここまではいいけれど、ここまでは駄目だよねという合理的な線引きが必要なんじゃないかと思ったんです。それができるのが自然科学じゃないかな、と。それで大学院に入りました。
アメリカなどではシステム生態学という分野があって、生物の世界をシステマティックに捉え、そこから様々な法則を見つけ出す。自然の世界はこうなっているんだ、どういうふうに管理したらいいんだ。ということを自然科学的に解明しようという考え方です。そこに興味をもったんです。
ただ日本には研究している先生方はほとんどいない。日本の生態学は博物学の延長の感がどうしてもあるんですよ。1つ1つの植物が、動物がどういう生活しているんだろう、というような研究が多かったんです。
いずれにしろ、生態学を始めたのは、生き物の仕組みを科学的な部分から明らかにして、そこから人間と自然のより合理的なやりかた、あり方が見えてくると思ったからなんです。
アメリカなどではシステム生態学という分野があって、生物の世界をシステマティックに捉え、そこから様々な法則を見つけ出す。自然の世界はこうなっているんだ、どういうふうに管理したらいいんだ。ということを自然科学的に解明しようという考え方です。そこに興味をもったんです。
ただ日本には研究している先生方はほとんどいない。日本の生態学は博物学の延長の感がどうしてもあるんですよ。1つ1つの植物が、動物がどういう生活しているんだろう、というような研究が多かったんです。
いずれにしろ、生態学を始めたのは、生き物の仕組みを科学的な部分から明らかにして、そこから人間と自然のより合理的なやりかた、あり方が見えてくると思ったからなんです。
2 国立環境研究所時代のマレーシアでの研究活動
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学生時代を過ごしたあとは?
現実の研究者の社会では、研究が目的化しています。研究成果が世の中に役に立つかどうかというよりも、どれだけ新しいことがわかるかとか。むしろ極端な言い方をすると役に立たない分野、純粋なほうがかっこいい、価値があるといったそういう風潮すらあるように感じました。研究そのものは楽しかったんですが、このままでいいのかな、という思いがありました。
そして、国立環境研究所に就職。国立環境研究所では、熱帯林を研究するチームに所属し、マレーシア森林研究所(Forest Research Institute Malaysia)に研究者として派遣されました。熱帯林の研究では、熱帯林が非常な勢いで失われていくので、熱帯林がどういう仕組みでどういうふうにしたら保全できるのかが重要な目標の一つです。研究者たちは熱帯林にはどういう植物がいて、どんな生活しているんだろうにどうしても興味がいく。たしかに理学的な研究も必要なんだけれども、この植物は、この動物は、こんな生活をしていておもしろい、ということがわかったとしても「でもその森はなくなってしまった」、では意味がない。実際の世の中の役に立ちたい。保全の役に立つ仕事をしたい。研究者でなくて、何ができるんだろう。そう考えました。 |
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足立さんが生物多様性という難しいテーマに興味をもったのはなぜですか?
マレーシアにいるとき、日本の企業の方々と話をする機会がありました。それまでそういう接点はあまりなかったのですが、企業の方々が何を考えているかを知る機会になりました。例えば、マレーシアは非常に生物多様性が豊かで、まだ熱帯雨林も多く残されている地域なんですけれど、企業の方は知らない。なんとなく緑があるな、日本とは違う動物がいるな、植物がいるな、ということは知っているけれど、実際の状況が見えてないんですよね。間に入ってこういうことを伝える人がいなければ、森が少なくなってしまったら植えればいいじゃない。という単純な考え方になってしまう。研究者が明らかにしたことをきちんと伝えていかなければいけないと思いました。

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