
浜中先生に聞く温暖化問題
後編
新政権に求められる今後の対応
浜中 裕徳先生
(財)地球環境戦略研究機構(IGES)理事長、慶應義塾大学教授。元・環境省地球環境審議官
(2010年1月14日)
日本は原点を確認して、歯車を再び回すべき
――COP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)では、積み残した課題も多いようですが、今後についてどうお考えですか。
COP15の合意はあくまで政治合意なので、法的拘束力はありません。合意の実施について強い意志をもって取り組むことが重要です。存続が決まった作業部会は、早急に交渉を再開することが求められます。今回、115カ国もの首脳が集まり、NGOを含め合計45,000人が集まりました。これは歴史上はじめてのことで、この気運が冷めないうちに歯車を再度回していくことが大切です。
まず、1月31日までに2020年の削減目標を提出することが合意されていますが、これは各国が自分で出す「言い値」です。日本はCOP15後の閣僚委員会で、他の主要国が同様に野心的な目標をもって取り組むことを条件に、1990年比で25%削減という従来通りの方針を確認しました。
――COP15の結果を受けて、日本の目標値をどうするのかについてさまざまな意見があります。
EU(欧州連合)の削減目標が20%のままなら日本はどうするのかなど、この数字についての議論はあると思います。
しかし、ここで重要なのは、「そもそも何のために」という原点を再認識することです。気温上昇を2℃に抑えるということは、大気中の温室効果ガスの濃度をCO2換算で450ppmにするということです。つまり、2050年までに世界全体の排出量を少なくとも半減しなければならず、先進国全体で80%削減するということがG8ですでに合意されています。これを実現するために取り組んでいるということを再認識する必要があります。
私は、日本の中期目標の数字が多少変わることもあり得ると思いますが、その場合でも2030年、2050年への削減経路と、それによって、日本が世界全体の温暖化防止にどのように貢献できるのかについて、きちんと説明し、その妥当性について国際的な検証や評価を受け入れていくことが必要だと思います。
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