環境用語集 〜環境について調べる〜
LCA(Life Cycle Assessment) 詳細解説
LCAは、ある製品をつくるための原材料の採掘から、加工、製造、物流、消費、再利用、リサイクル、廃棄処理にいたるライフサイクル全体の過程を通じて投入される、エネルギー量や材料の使用量、排出される二酸化炭素(CO2)などを算出して、環境への負荷を洗い出す手法だ。たとえば、家電製品の場合には、銅鉱石や鉄鉱石、アルミニウムの原料となるボーキサイト等の採掘に始まり、原材料となる鉱石の輸入、鉄やアルミの生産、部品製造、組み立て、商品の販売店への搬送、消費者が使用しているときのエネルギー使用、使い終わったときに販売店に引き取られリサイクルされて、残りが廃棄されるまでの全ライフサイクルがLCAの対象となる。
LCAの発想は1960年代の終わりに、米国の清涼飲料会社が自社のリターナブルびんを対象に研究を委託したのがはじまりとされ、1980年代から1990年代にかけて米国、欧州で進展した。1997年にLCAの「原則および枠組み」が国際標準規格(ISO14040)として発行され、同年日本でも日本工業規格(JIS-Q-14040)となった。現在、欧米諸国などへ製品を輸出するに当たり、LCAによる評価が求められるケースも出てきており、日本企業の中でもLCAを製品設計、製品生産に本格的に導入する企業が増えている。
LCAを実施するにあたっては、LCAを用いる目的と調査範囲を設定したのちに、対象となる製品やサービスの資源消費量(インプット)と排出物量(アウトプット)を算定し、これらのデータを環境負荷項目ごとに整理した入出力の明細表を作成する必要がある。これをインベントリー分析という。さらにこのインベントリー分析の結果を用いて、サービスや製品がもつ環境への影響を総合的に評価することになる。LCAによって、製品やサービスのどの段階で環境負荷が高いかを割り出し、その部分の環境負荷を重点的に低くしていくことで、効率的に環境負荷を下げることができる。
たとえば、冷蔵庫の場合では、ある家電メーカーのLCA評価によると、CO2の排出量は消費者が使用する段階が最も多く、部品・部材関係が約10%でこれに続く。つまり、使用時の省エネが最も効果が高い。LCAを導入することによって、環境負荷の低減と同時に、企業にとっては生産や設計の合理化が進み、リサイクル性の向上など、経済的、経営的なメリットも生まれる。
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