環境用語集 〜環境について調べる〜
ダイポールモード現象 詳細解説
インド洋東部(ジャワ島沖)の海面水温が異常に低くなり、反対にインド洋西部(アフリカ東方沖)の海面水温が異常に上昇するために起こる現象のこと。東西でダイポール(双極)型の対比を示すためにこう呼ばれる。通常5月から6月に発生して、10月頃に最盛期となり、12月には終息に向かう。ダイポールモード現象が起こると、風や気候の変化が生じ、エルニーニョ(太平洋赤道域の中央部から、南米のエクアドルやペルー沿岸にかけての広い海域で発生する海面水温の異常昇温)と同様に、世界各地に大雨や干ばつ、猛暑など異常気象を引き起こす一因となるとされる。具体的には、インド洋東部のインドネシア周辺では少雨となり干ばつを、インドからアフリカ大陸東岸などにかけては多雨となり、洪水をもたらす。また、日本では太平洋高気圧(小笠原高気圧)に覆われる日が多くなる。このように、ダイポールモード現象は、インド洋沿岸諸国、オーストラリア、日本を含むアジアの国々に大きな影響を及ぼす。
ダイポールモード現象は、1999年に東京大学の山形俊男教授らによって発表された。発生のメカニズムは、インド洋東部で南東貿易風が何らかの理由によって強化されると、東西に吹く風の成分が赤道上に生じ、西向きの海流を発生させる。これにより、東インド洋にあった暖水が西インド洋に運ばれ、反対に東インド洋では、深海からの冷水の湧昇や海面からの蒸発によって海水温が低下する。近年の動向をみると、2006年にはダイポールモード現象に伴い、アフリカ東部沿岸諸国での洪水やオーストラリアでの干ばつなど、大きな被害が発生している。また、翌2007年9月から11月にかけて発生した際には、オーストラリアに2年連続の干ばつをもたらした。この時には、太平洋のラニーニャ現象と同時発生している。気候変動や地球温暖化などの環境問題との関連性を指摘する研究もあり、現在、ダイポールモード現象の発生から終息、周辺諸国の気象への影響などについての研究がさまざまな国際機関により進められている。
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